診察の風景LANDSCAPE

受付RECEPTION

  • クリニックの玄関が開くのは朝は午前8時です。
    早朝検査の方以外は、それ以前に来られても中に入れません。夕方診療は午後3時30分にドアが開きます。車の中で待つか、車がない方はインターホンで呼び出してください。
    時期によって発熱外来やインフルエンザ接種外来が組み込まれ診療時間が変更になります。 前もってネットで確認されるか、受付に電話で問い合わせてください。
  • 玄関を入ったら、アルコールで手を消毒してください。左手に紫外線消毒されたスリッパの棚がありますのでご利用ください(帰る時は使用済みのカゴに入れてください)。
    カウンターで受付をします。診察券、保険証を提示ください。少し椅子で待って落ち着いてから血圧や身長を測ります。
    衣服は軽く、また腕が出るようにしておいてください。自動血圧計で結果の紙が出ますから受付に渡してください。必要ならその後持ち帰っても結構です。
    薬だけを取りに来た人も、できるだけ測ってくださいね。
  • 新型コロナ対策として、待合の本やおもちゃ、新聞などは撤去していますのでご了承ください。患者さん用のiPadがあるので希望の方は受付に申し出てください。
  • 午前中は基本的に来院順、夕方は予約制です。
    ただし急患や、小さな子供さんは先に診せてもらうことがありますのでご了承ください。気分の悪い方は受付に申し出てください。
    火曜日は高鷲町内巡回の送迎車が出ます。また体操教室もありますので患者さんが多くなりがちです。帰りの送迎車に間に合うよう診療の順番を調整することがあります。定期受診の方は火曜日を避けていただいた方が良いと思います。
  • 時間がかかりそうな外傷や処置の患者さんは、簡単な処置の後、病院を紹介することがあります。医師が一人のためご了解ください。
  • 定期受診の方、もしくは初診でも必要と思われる方は、診察前に採尿などの検査を行うことがあります。

診察室EXAMINATION ROOM

  • 館内呼び出しがあれば診察室にお入りください。
    トイレの横にあり、トイレと同じような模様のドアなので間違えないでください。
    入ってすぐ脱衣籠がありますので、衣服や荷物を置いてください。ドアが十分閉まったことを確認してください。 ドアには鏡が貼ってあるので、お帰りの時に衣服を整えてから退出してください。
  • 診察室には医師一人だけですので会話の秘密は守られます(ただ必要な事項は電子カルテに記載します)。 医師の背後にあるテレビモニターで検査データの推移や、病気・治療の説明を行います。検査データは原則お渡しします。診察室では超音波検査も行います。
  • ①は診察室のエコー[Aplio300]。
    腹部や心臓のほか、手足の動・静脈、頸動脈の動脈硬化などを検査します。とてもきれいな画像を見ることができます。
  • 医師を含めスタッフは通信用のイヤホンをしています。パソコンを打ちながら電話ができるようにするためと、スタッフ間の連絡のためです。 たとえば診療中に患者さんから薬の依頼電話があったとします。診療中であっても医師が用件を聞くことがあります。その時には電話の受話器を取らずにイヤホンで会話をすることになります。 診察中の患者さんにはご迷惑と思いますが、新型コロナ禍で電話での依頼が増えています。ご了承ください。
  • 診療時間は、着替えやカルテ記載も含め一人約15分程度を想定しています。冬は待合で服を軽くしておいて下さい。
    一人の患者さんが、肩の痛み、目のかすみ、血圧、しびれなどたくさんの訴えを同時にされた場合には、病状に応じて一部先延ばしすることがあります。 逆に重要と思われる場合は15分を越えて診察をしますので、申し訳ありませんが次の患者さんの待ち時間が長くなってしまいます。
  • ② 医師の背後には大きなモニターを設置して、病気の説明や、レントゲン提示などを行なっています。耳が遠い患者さんには筆談用になります。
  • 十分な説明ができなかった方には、説明の要点をまとめたプリントをお渡しします。医師の説明が理解できなかった方はお申しでください。
  • 帰宅後に心配が残ったり、聞き忘れたり、病状が変化したり、長引いた場合はお気軽に連絡をください。
    できればお問い合わせフォームからのご連絡がありがたいですが、090-2185-1964の個人携帯に直接電話してもらっても結構です。この場合診察中には出られないことがありますのでご了承ください。医師としても診療後の経過が分かった方が安心なので、ご連絡は大歓迎です。

処置室 / 検査・レントゲンTREATMENT ROOM / EXAMINATION

  • 診察後、検査のある方は処置室やレントゲン室に移動してもらいますが、スタッフが案内します。
  • 地区内に調剤薬局がないため、原則院内処方です。もちろん院外処方も可能ですからお申し出ください。 令和4年6月1日より院外処方になりました。
  • 至急血液検査も可能です。40分ほどお待ちいただきますので、希望される方はお早めに受診してください。
  • ③ レーザー光源搭載の内視鏡システム「LASEREO(レザリオ)」を導入しています。
    この内視鏡は、粘膜の微細血管や表面構造がよく見えるBLI(Blue LASER Imaging)と、 粘膜の微妙な色の違いから炎症を診断するLCI(Linked Color Imaging)という、2つの波長のレーザー光を使用して、精密な観察が可能です。
    太さは経鼻用ですが、口から余裕で飲み込んでもらっています。
  • ④は院内至急検査。心筋梗塞や肝臓、腎臓、脂質、電解質、膵臓などのの異常を30分ほどで判定します。もちろん貧血や糖尿病の迅速診断も行なっています。すべてデジタル化され電子カルテに取り込まれます。
  • ⑤は無散瞳眼底カメラ。糖尿病や高血圧の網膜出血発見に威力を発揮します。
  • ⑥は左から血管年齢、心電図(ホルター解析可能)、緊急時バイタルモニター。

往診・定期訪問HOME VISIT

  • 往診は午前中の外来終了後に出発します。ちょうどお昼ご飯と重なるかもしれませんが、前もって連絡をしますのでご協力をお願いします。落ち着いている患者さんは4週に1回、曜日を決めて訪問します。定期訪問患者さんの薬は、白鳥町の調剤薬局さんに協力してもらっています。
  • 緊急往診も可能ですが、私が到着するより救急車の方が早くて適切かもしれませんので、電話で指示をさせていただきます。その場合でも当院から紹介先の病院に直接依頼をします。
  • 救急車を呼んだ後でも医師に連絡をください。往診に間に合わなくても必要な情報を救急隊や転送先病院に送ることができます。

後方病院との連携COOPERATION

  • 他院を受診される方は、眼科であろうと歯科であろうと、紹介状(情報提供書)をもらってください。医師に直接言いにくい場合は受付でお申し付けください。ただその場ですぐには作成できませんので、2〜3日の余裕をください。電話でも結構です。 特に希望がなければ当院から紹介先の医療機関に直接紹介状を送ります。予約が必要な時は当院で予約を取ります。
  • 紹介先のご希望があればどこの病院であろうと紹介させていただきますが、場合によっては医学的な見地から変更を相談させていただくかもしれません。
  • 専門病院からの情報提供として、CTなどの画像データが入ったCDも一緒にいただくことがあります。このCDは当院でコピーしたあと本人にお渡しします。貴重な個人のデータですから大切に保管してください。個人で見てもわからないかもしれませんが、今後他院を受診する時に持参していただければ医師は大変助かると思います。
  • 今後の課題として、後方病院の専門の先生とテレビ会議をしながら当院で診察をすることも考えています。これが実現するといちいち岐阜市まで行かなくても済むようになるかもしれません。

代表的な疾患例DISEASE

診療の流れを理解していただくために、
代表的な疾患の例をお示しします。

高血圧症HIGH BLOOD PRESSURE

診断

まず家庭血圧を測定。家庭でくつろいでいる時も血圧が高いかどうかを確認します。
そしてどんな時に高いか、例えば朝起きた時に高いのか、入浴後に高いのかなど、個人によって異なる変化を確認します。

二次性高血圧の除外

  • 特に若い人の高血圧は、副腎腫瘍やホルモン異常、腎疾患、血管疾患など他の病気が原因となっている場合があります。
    薬を飲み始めると正確な検査ができないので、緊急を要する時以外はまず二次性高血圧の除外を行います。
  • 朝8時半までに、朝食を取らずに来院してもらいます。受付後採尿して、30分間処置室で横になって休んでもらいます。 そして寝たまま採血をします。それで検査はおしまいです。早めに治療を開始した方が良い場合はこの日から投薬を開始します。 結果が出るのに1週間かかりますので、その頃受診していただきます。
  • 塩分を摂りすぎかどうかを評価します。尿検査で推定することができます。

合併症の評価

腎機能

血液検査でめどがたちますが、エコーで腎臓の大きさの確認、腎結石の有無、時には腎血流の評価を行います。

心不全

心機能を維持することは、血圧を管理する一つの目標です。レントゲン写真や心電図が基本になりますが、心臓エコーや血液検査のBNPなどで、今の心臓の具合を調べます。 すでに心臓が弱っている時には、それなりの強い薬が必要となります。

動脈硬化

血圧と違ってなかなか見つけにくい異常です。動脈硬化が進むと脳梗塞や心筋梗塞になりますので、なってしまうまえに評価し、対策を立てます。 当院では血管年齢測定、頸動脈エコー検査、眼底の細動脈硬化評価などを行っています。

糖尿病・脂質異常

一言で書ききれないテーマですが、当院で重要視していること。
まずは運動、食事などの生活改善。次に合併症の評価。血糖やコレステロールがちょっと高いだけでも高血圧があれば一つの病気であるほどのインパクトを持ちます。 いわゆるメタボリックシンドロームです。これは単に太っているというだけではなく、予後に悪影響する病気であることを意味します。 ですから軽くてもこれらが揃っている場合には、病気として対応します。

  • 脂質異常は動脈硬化になりやすいかどうかを判断します。 悪玉コレステロールが有名ですが、最近はRLP-コレステロールや、小型コレステロールなど、超悪玉と呼ばれるコレステロールを測ることができるようになりました。
    これらが他の人と比べて多いかどうか、今現在動脈硬化が進んでいるかどうかを判断しながら治療を進めていきます。
  • 糖尿病関連の検査として、インシュリン抵抗性の評価があります。 血糖があまり高くなくても、インシュリンが過剰に出て、強引に血糖を下げているようなら、糖尿病は間近かです。空腹時採血でわかります。
    ちなみに糖尿病患者さんの定期受診時は食事と薬を飲んできてください。経過観察はHbA1cという検査をしますが、これは2カ月間の血糖の平均を調べるもので直前の空腹は関係しません。朝食を抜くと血糖の管理が不安定になるのでお勧めできません。
  • 糖尿病の治療として最近は、週1回自己注射をしていただくGLP-1受容体作動薬というのがあります。 欧米では痩せ薬として使われることもあり、我が国でも美容クリニックなどで(怪しく)使われているようですが、当院でも糖尿病治療薬として使用します。 特に肥満傾向の方には体重減少を期待できる薬として利用しています。ただ、食欲が落ちるので、本人や家族が心配になり中止したことがありました。高鷲だなあと思いました。
  • 意外に知られていないのが睡眠時無呼吸症候群。夜中の呼吸停止で血圧が高くなったり、太ったり、血液がドロドロになって時には心筋梗塞、脳梗塞になったりします。血圧が高い患者さんに一度は確認したい病態です。

咳・息切れCOUGH

  • 肺炎や肺結核、最近問題になっている非結核性抗酸菌症などを、レントゲン写真や喀痰検査で除外します。
  • 問題は慢性閉塞性肺疾患です。これは喫煙者にみられる慢性化した喘息のようなものです。
    ただ咳発作やヒューヒュー音がなことは少なく、知らない間に忍び寄る息切れが主な症状です。
    慢性的に進行するので本人が自覚する前に、息切れがする動作を避けるようになっていて、さらに発見が遅れます。
    当院では肺機能検査や歩行後の酸素濃度測定などを行い、吸入などの治療薬を開始します。もちろんチャンピックスを利用した薬による禁煙指導も行います。
  • 喘息については、咳がひどくなったりヒューヒューいわないと治療を受けない人が多くみえます。実はそうなる前に対処するのが今の医療です。過去にそのような発作のあった方は積極的に検査・治療を行います。 長期にわたるお付き合いが必要です。高血圧の患者さんが毎回血圧を図るように、喘息の患者さんは受診ごとに肺機能検査を受けていただきます。
    可能なら自宅でピークフローを計測していただきます。

腹痛STOMACH ACHE

  • プライマリ•ケア医にとって腹痛はチャレンジングです。
    特に子供さんの場合は訴えが抽象的で、診察も容易ではありません。CTができず、採血検査にも時間がかかる場合には、エコー検査が有力な武器となります。イレウス、虫垂炎、食中毒、胆石、尿結石、など子供でもありうる病気を、子供の体に優しく診断することができます(ちなみに子供のモウチョウ(虫垂炎)をCTを使って診断するのは、被曝が多いので推奨されていません)。
  • 基本的には腰椎に負担をかけないよう、腹圧が維持できる腹筋増強を目ざします。
  • 診察で脊髄など神経系に異常を認めた場合は専門医を紹介します。
  • 腰回りの筋肉が凝った場合には、筋膜リリースと呼ばれるような局所注射を行います。エコーを見ながら痛そうなところに針を進めて薬を注入します。

肝臓LIVER

  • 高鷲村に初めて赴任した時は、なんて飲酒の多い地域だと驚いたことを覚えていますが、今はミイラ取りがミイラになってしまったようで、あまり驚かなくなりました。
  • 最近はアルコール性肝炎よりも、肥満や高脂血症、糖尿病に関連した脂肪肝が目立ちます。
    お腹にたまる脂肪は肝臓で作られていて、カロリーの摂り過ぎの時は、工場に在庫が貯まるのと同じように、肝細胞の中に油の粒が溜まってしまいます。これが脂肪肝です。
    昔は脂肪肝は悪化しないと言われていましたが、最近の研究では20人に一人は肝硬変→肝癌発生のリスクがあると言われています。
    飲酒でも毒であるアルコールに対処するため脂肪を処理する能力が落ちて脂肪肝になります。

むくみSWELLING

  • 心不全、腎不全、深部静脈血栓症を否定するために血液検査を行います。
    ただすぐにはわからないので、エコー検査をおこない、心臓が弱っているか、体に水が溜まっているか、足の静脈に血栓があるか、などを簡単に調べることができます。診察時にエコー検査を行い、その場である程度判断することができます。
  • 甲状腺機能低下症も鑑別に上がりますが、採血や甲状腺エコーで評価することができます。