家族がコロナと診断された場合
ご家族に新型コロナ感染者が出た時、他の人はどうしたらいいか戸惑うと思います。
①まず保健所の指示を待ってください。濃厚接触者と認定されれば、PCR検査を無料で受けることができます。ただし関の保健所まで行かなければなりません。
②濃厚接触者と認定されなかった場合は自費検査となります。あわてずクリニックに電話をください。すぐに検査をしても反応が出ないことがあります。いつ、どんな検査を、どこで受けるべきか、お話しします。
③症状がない場合はウイルス量が少ないので、敏感なPCR検査を行いますが、これは高価で(当院では15,000円)、結果がわかるのが翌日か翌々日になります。一方、比較的安価で(5,000円)、10分で結果が出るのが、抗原検査です。これは症状があるときに使用します。PCR検査より感度が劣りますが、症状がある場合はPCRと同等の診断能力があると言われています。
④感染直後のウイルス量が少ない時は、PCR検査でも陰性になります。保健所のPCR検査が陰性でしたが、翌日発熱して抗原検査陽性になった人がいました。私は高価なPCR検査を1回受けて安心するより、安価な抗原検査を複数回受ける方が確実に病気を捉えることができると思っています。
繰り返しになりますが、発熱や咽頭痛などの症状がある場合は保険(一部公費)で抗原検査を受けることができ、すぐに判定できます。
PCR検査にせよ、抗原検査にせよ、一回の検査で陰性であっても、症状が出た時は再度検査を受けてください。
(訂正: 近隣の病院で「30分で結果が出るPCR検査を受けた」と話される患者さんがみえますが、これは抗原検査の間違いだと思います、と初稿で書きましたが、NEAR法という15分〜30分でPCR検査に近い精度の検査だそうです。値段はPCR法と同等の15,000円から25,000円ほどです。検査時点で新型コロナに感染していないという証明には適していると思います。そのため家族が感染したのですぐ調べたい、という人にはお勧めします(濃厚接触者と判定されなければ自費になります)。しかし米国の調査では、この検査で陰性の場合3割は間違っていたとも言われており、確実なものではありません。当然、ウイルス量が増えるかもしれない翌日も大丈夫という保証にもなりません。)