インフルエンザA、新型コロナのみならず、マイコプラズマ肺炎、クラミジア肺炎

連日インフルエンザA、新型コロナの患者さんが殺到していますが、最近二人の若い女性の肺炎を経験しました。どちらもインフルエンザ反応、新型コロナの反応がありませんでした。
その後一人はマイコプラズマの反応があり、マイコプラズマによる肺炎と診断しましたが、もう一人はマイコプラズマの反応すらありませんでした。採血では白血球は低いままで、CRPという炎症タンパク質が最強になっています。
普通の肺炎を想定して抗生剤の点滴を始めましたがよくなりません。だんだんレントゲンの影が濃くなっていきます。若い女性の呼吸が苦しそうになってきました。
さあ困りました。普通のウイルスによる肺炎か。

当院で対応できるのはここまで。自然に治る可能性はありますが、息苦しそうになった段階で入院を勧めました。
その結果クラミジア肺炎と診断されました(別名クラミドフィラ)。

性感染症としてクラミジアは有名ですが、この肺炎クラミジアはまったく別物です。風邪症状の5〜10%の原因だとも言われていますが、普通は調べないのでわかりません。
なぜ調べないかというと、検査結果が分かったときにはすでに病気がおさまっていることが多いからです。迅速検査がないため、採血をして外注業者に委託します。すると4〜5日後に結果が返ってきます。風邪のようなものなので結果が返ってきたときにはすでに症状が治りつつあります。費用も結構かかります。
ただ肺炎や呼吸困難は別です。今後当院でも、肺炎や息苦しさを訴えてインフルエンザやコロナなどの反応が無い場合には、採血でクラミジア(クラミドフィラ)感染を調べることにしたいと思います。

それにしても、今は熱があるとインフルエンザ・コロナの検査で鼻に綿棒を突っ込まれ、マイコプラズマを疑えば喉に綿棒を突っ込まれ、それでもわからなければ血を取られるという、気軽に発熱していられない時代になりました。